行動

行動

想う。結ぶ。響く。託す。
そして、頂く。

世界は、考えるだけでは動かない。体を動かしてはじめて、世界に触れる。役割も目的地も、日々の行動がなければ言葉のまま。だから三つの中で、行動がいちばん現実に近い。

構え ― 行動の土台にある四つ

  • 依存させない。 活かすとは、自立を支えること。
  • 前に出ない。 場所は主役にならない。集う一人ひとりが主役。成果を所有しない。
  • 評価から自由でいる。 迎合しない。自分の音を消さない。相手の評価は、相手の中で起きること。
  • 滞らせない。 眠っているものを目覚めさせ、受け継いだものを活かしきって、巡らせる。

四つの行動

想う― 個も、全体も観る。

目の前のひとつを、ていねいに想う。一人の人を想い、その向こうにある家族や会社を想う。近くも、遠くも。想いは距離を選ばない。その人を誰かと比べず、そのままのひとつとして想う。

問い:今日、目の前の人を、どれだけ想えただろうか。その向こう側まで、想いは届いただろうか。

結ぶ― 関わりをつくる。

人と人を。想いと数字を。会社と社会を。過去と未来を。結んで終わりにせず、結ばれた関係を育てる。結ぶとは、縛ることではない。自立した者同士だから、結べる。

問い:今日、誰かと誰かを、何かと何かを、結べただろうか。自分自身は、他者と関われただろうか。

響く― 行動と結果を広げる。

一人の変化が会社に響き、会社の姿勢が社会に響く。孤立した仕事はひとつもない。調和とは、同じ音になることではない。違う音だから、響きあえる。

問い:今日の仕事は、誰に、どこに、響いただろうか。自分の音を消さずに、響きあえただろうか。

託す― 次へつなげる。

受け継いだものを活かしきって、次へ。仲間に託す。次の世代に託す。託すとは、相手の力を信じること。抱え込みは、信頼の不足。

問い:今日、何かを次へ託せただろうか。受け継いだものを、活かしきれているだろうか。

頂く― 受け取り、引き受ける。

関係は、一方向では成り立たない。四つが世界へ出す働きなら、頂くは世界から受け取る働き。来たものを受け取る。人から。全体から。受け継いだ流れから。相手がいたこと、体が動いたこと、時間があったこと。関係によって存在は成り立つ。だから、頂くことに感謝する。

受け取って終わりにしない。引き受けて、次へつなげる。誰かが託したものを、誰かが頂く。そこで巡りがひとつ閉じ、次が始まる。

問い:今日、何を頂いただろうか。それを引き受けて、次へつなげられただろうか。

毎日、問いとして使う

四つの言葉と頂くは、定義して終わりではない。毎日、自分に向ける問いとして使う。答えは日によって違っていい。答えが出ない日があってもいい。問い続けること自体が、修養。

四つは、めぐる

想うと結ぶは、はじまりの働き。ひとつに向かい、つなげていく。響くは、広がりの働き。個の働きが全体に届いていく。託すは、つづきの働き。時間を越えて、未来へ手渡す。

空間に結び、時間に託す。四つで、世界へ向かう関わりを覆う。頂くが、その受け取る側を担う。

決まった順番はない。四つをまとめて自分に当て、偏りがないかを見る。そのあとに、頂くを当てる。頂くは末尾に置く。与える方が先だから。ただし、頂いたものは次の日の「想う」の頭にもなる。

現場の言葉へ

四つの言葉は、それぞれの人が自分の仕事の文脈で具体化してはじめて、現実の行動になる。中央で定義して配らない。あえて空けておく。

「自分の仕事における『託す』とは何だろう」と考えた瞬間、その人は、言葉を受け取る側から、生きる側に変わる。